日本では、肝がん発生の主要なリスク要因は、C型及びB型肝炎ウイルス感染です。この他にも多量飲酒によりアルコール性の肝硬変になり、肝がんに移行するという場合もあります。このように肝炎、肝硬変等、肝疾患の既往は、肝がん発生と密接に関連しているわけですが、最近、肝疾患以外の疾患、例えば、糖尿病と肝がんとの関連も指摘されています。 そこで、本研究調査にて、糖尿病を含めた既往歴と肝がんとの関連を検討しました。

40-59歳群の男性では、高血圧(3,14倍)、糖尿病(4,17倍)、女性では胃・十二脂腸潰瘍(4,33倍)で、調査開始時に既往歴がなかった人に比べ、あった人では肝がん死亡リスクが増加しました。 一方、60-79歳群では、男性で胆石・胆嚢炎(2,58倍)が、女性で糖尿病(6,16倍)と、肝がん死亡リスクが増加しました。
柴田 彰 (Kurme Medical Journal,Vol.50,109-119,2003年) |