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はじめに

 佐久市立国保浅間総合病院外科の池田正視と申します。消化器全般を担当しておりますが、胃の手術、特に胃を切除した後の再建法(つなぎ治す方法)を専門に研究してまいりました。

現在、胃がんは診断技術の進歩や健康診断の普及などによって、早期に発見され、手術や抗がん剤投与により治って社会復帰される患者さまが増えてきています。

 それに伴い、社会復帰される患者さま方から、治ったのに従来のような仕事ができず自信を失われ、結果的に満足できない人生を送られているなどの悩みがあり、生活の質(QOL、クオリティ・オブ・ライフ)の向上を望まれる患者さまが増えてきております。

現在一般的に行われている手術では、術後に食べた物を貯める胃袋は無くなるかもしくは小さくなってしまいます。そのため、手術して退院した後は、手術前に食べていた量を食べようと思っても、すぐにお腹が一杯になってしまい、時間を空けて何回にも分けて食べなければならないことが少なくありません。

 また、横になったりすると消化液や胃の内容物を貯めておくダムの役割をする胃の部分(胃底部)がないため、食道や残った胃に消化液などが逆流してきて胸やけが生じたり、胃を切った後の困った症状(胃切除後症候群)が現れる患者さまもおられます。

  私は、医学が進歩しているにもかかわらず、患者さまが胃切除後の症状に苦しんでおられることに、大きな違和感をいだき、QOLの観点から、以前と変わらない快適な日常生活を送ることができるよう、胃を切った後に代わりの胃袋を作る代用胃作製術、とくに空腸を使う二重空腸嚢(パウチ)間置術という再建法を研究し採用してまいりました。

 このホームページでは、この再建法について、図や写真を交えながら紹介させていただきます。