佐久市立国保浅間総合病院

変形性膝・股関節症の治療方針方法

変形性膝関節症の治療方針

変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症とは膝関節に起こる変形性関節症です。
変形性関節症とは,関節の軟骨がすり減り,それを修復しようとして,骨の形状が変化し,骨棘という増殖した骨が形成されたりして,関節の変形が進み,炎症を起こして,関節が腫れたり,関節内に水が貯まったりする病気です。
関節の変形は,全身のどの関節にも発生し,加齢とともに発生頻度は増加しますが,体重がかかる股関節は発症しやすい関節の一つです。
原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。
また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。
加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形します。

1. 膝関節痛の原因

関節の中では、骨の表面はなめらかな軟骨(なんこつ)でおおわれ、そのすき間には半月板(はんげつばん)があります。
関節部分は関節包(かんせつほう)でおおわれています。
その内側の滑膜(かつまく)は潤滑油の役割をする関節液(かんせつえき)を分泌します。
軟骨、半月板、そして関節液のはたらきによって、膝(ひざ)関節は非常になめらかに動くようになっています。

図1:膝関節

膝関節

痛みはどこからくるのでしょうか?

  • 膝関節の痛みを感じる部位
  • 関節包・骨を覆う骨膜に痛みを感じる神経が抱負に分布しています。
    軟骨のすぐ下の骨にも神経が分布しています。
  • 軟骨には、痛みを感じる神経は分布していません。

変形性膝関節症では、軟骨が磨り減っていき痛みを感じる骨や関節包が刺激されて痛みを生じるようになります!
しかし、軟骨には神経が分布していないために早期の時期には痛みが軽く治療が遅れる原因になります。

変形性膝関節症の進み方と症状

一次性変形性膝関節症:関節軟骨の退行変化(加齢)に起因する。
二次性変形性膝関節症:外傷や関節リウマチなど様々な疾患に続発するもの。

  • ほとんどが、一次性で、内反型(O脚)が多く、女性に多い。
    早期発見・早期治療に膝関節症状/チェック表をご利用ください!

膝関節症 チェック表

  • たちあがり・歩きはじめに膝がこわばる。
  • 坂道・階段の上り下りで違和感がある。
  • 膝に手をあてて屈伸するとゴリゴリ感じる。(曲げたときのポキッという音は関係ない)
  • トイレでのしゃがみ・正座・中腰がツライ。
  • 膝の後ろに張りを感じる。
  • 膝の前や後ろが腫れて熱を持つ。
  • 膝のお皿を押すと浮いた感じがする。

上記項目の内、二つ以上該当すれば専門医の受診を勧めます。

2. 治療法、保存的療法

残念ながら,摩耗(まもう)した軟骨や変形した関節を元通りに再生する治療法はなく,痛みや症状を和らげ,機能を回復させるのが治療の目的になります。
治療法は保存治療と手術治療の2 つに大きく分かれます。
保存治療とは手術以外の治療法をすべて指します。
保存療法には,日常生活指導,運動療法,温熱療法,薬物療法,装具療法などがあります。手術治療には,主に骨切り術と人工股関節置換術があります。
現在の標準的な考え方は,まずは保存治療を行って,痛みが良くならなければ手術を行うというものです。
当院でもまずは保存的に痛みを取る方法を行います。
従来の運動療法や関節内注射だけでなく、ホームエクササイズを中心としたPSTRエクササイズ(ゆうきプログラム)の指導も積極的に行っており、できるだけ手術の延期または回避を目指します。
保存治療を行っても症状が改善しない場合には、筋肉を切らない人工関節手術を行います。

3. 手術のタイミングは?

変形性膝関節症が進行していくと保存治療を行っても症状が改善せず、日常生活や仕事などに支障をきたすようになります。
また、腰椎に影響を及ぼし腰痛が出現・増悪していくこともあります。
このような場合には、人工膝関節置換術を行います。
当院では手術前にもPSTRエクササイズ(ゆうきプログラム)を行い、手術後の早期機能回復・社会復帰を目指しています。