溶連菌感染症

溶血連鎖球菌(溶連菌)による、咽頭炎を初めとして多彩な病像を
呈する細菌感染症。
 
原因
連鎖球菌は20の群に分類されますが、主に問題となるのはA群と
B群のみです。B群は新生児の髄膜炎や敗血症の原因となります。
A群は血液寒天培地でβ溶血(コロニー周辺で完全溶血が認められ
る)をするので、A群β溶血性連鎖球菌ともいわれています。ここで
はA群溶連菌について述べます。
 
病態
1)咽頭炎、扁桃炎
2)猩紅熱(しょうこうねつ)
3)膿痂疹、丹毒
4)劇症型A群連鎖球菌感染症 

溶連菌感染症は1歳未満ではまれです。
溶連菌による咽頭炎(他のウイルスや細菌が原因であることも多い)
は、冬〜春に5〜15歳で多くみられます。一方、溶連菌による膿痂疹
(ブドウ球菌が原因であることが多い)は、夏に6歳以下で多くみられ
ます。

猩紅熱は、発熱、咽頭痛、腹痛、嘔吐などで始まります。2日以内に
紅斑の皮疹が頚や腋窩(わきのした)より出現し、その後、全身に広
がります。ただ、口の周囲は蒼白なままです。舌は白苔に覆われ、
その後、白苔がとれると苺状の赤いブツブツした舌になります。皮疹
は4〜5日で消えて落屑(皮がむける)がみられます。

丹毒は、高熱と境界明瞭な浮腫性紅斑が、顔面、下肢に好発します。

劇症型A群連鎖球菌感染症は、A群溶連菌による敗血症性ショック
が急激に進行し、多臓器不全に至ります。軟部組織炎(壊死性筋
膜炎を含む)を呈することが多く、中高年にみられます。
 
合併症
咽頭炎などの溶連菌感染症を発症して1〜3週間後に、リウマチ熱
や急性糸球体腎炎を合併することがあります。ただ、先進国では、
これらの合併症はかなり減少しています。

リウマチ熱は、心炎、多関節炎、舞踏病(顔をしかめたり、変な手つ
きをしたりする不随意運動をする)、輪状紅斑、皮下結節などの症状
があります。心炎では心臓弁膜症の後遺症が残ることがあります。

急性糸球体腎炎は、血尿、高血圧、浮腫が主な症状です。

診断 
細菌培養による細菌の同定、または迅速診断キットで診断します。
当院では、この迅速診断キットを使用しています。

治療( 劇症型を除く)
抗生物質(ペニシリン系やセフェム系など)で、咽頭炎や発熱などの
主な症状は数日で治ります。しかし、リウマチ熱や急性糸球体腎炎
の合併症予防には10日間の内服が必要です。

予防
ワクチンはありませんが、抗生物質の予防内服という方法がありま
す。

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