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糖尿病地域連携・佐久平糖尿病ネットワークSDNet

SDnet糖尿病連携クリニカルパス

近年の糖尿病患者数の増加は著しく、佐久地域も例外ではありません。各基幹病院での患者数も限界に来ているのが現状であり、一方で脳梗塞、心筋梗塞、腎不全など重症合併症に苦しむ方も多く、今後も増え続けると推測されます。
SDNet(佐久平糖尿病ネットワーク)は、2004年に「佐久平地域から糖尿病で苦しむ患者様を出さない」をスローガンに、病院と診療所の医師の連携を目的として佐久医師会内に発足しました。そして、この活動の一つとして、この地域連携クリニカルパスが誕生しました。
このクリニカルパスは、浅間総合病院、佐久穂町立千曲病院、佐久総合病院、小諸厚生総合病院を基幹病院とし、地域の医療機関(かかりつけ医)との診療連携のために作成しました。ぜひ、糖尿病診療の重要なアイテムとして利用していただきたいと思います。

連携パス①

比較的コントロール良好な糖尿病の方が、かかりつけ医の先生方と当院を一定の間隔で両方を受診する循環型のパスです。つまり、主治医が2人になると考えていただければ良いかと思います。

おもな治療はかかりつけ医の先生にお願いし、病院への受診は6ヶ月に1回といたします。かかりつけ医の先生から基幹病院へ御紹介いただく場合と、逆に基幹病院からかかりつけ医になる先生を選んで紹介する場合が考えられます。

連携パス②

かかりつけ医の先生からコントロール不良の方を御紹介いただき、基幹病院で治療後、かかりつけ医の先生方へ逆紹介させていただくものです。教育入院が原則となりますので、入院に同意できる方を対象とさせていただきます。

また、コントロール不良の目安は「HbA1c 8%以上」としますが、合併症の状態などを考慮し、必要であればご利用ください。なお、連携パス②の後に、連携パス①を続けて使用する場合も考えられます。

医科歯科連携

糖尿病の合併症はこれまで言われていた血管病変ばかりではありません。
歯周病も合併症に一つなのです。血糖コントロールがよくなれば歯周病も改善し、歯周病を治療すれば血糖コントロールも改善します。
そのためSDネットでは歯科医師会と協力し、歯周病・糖尿病の早期発見につなげるチェックリストの実施と相互に患者さんを紹介するシステム作りをしています。

佐久地域糖尿病重症化予防

厚生労働省は糖尿病患者さんの透析導入を予防する目的で各都道府県に「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を作成し実施するように通達しました。
これを受けて各市町村レベルでプログラムの運用が始まっています。
佐久平地域では長野県保健福祉事務所と各市町村の会合にSDネットが場所とノウハウを提供、腎臓の専門医や糖尿病スタッフも協力するという体制を整えました。

介護・在宅との連携

佐久平にはSCCネット(佐久総合病院地域ケア科を中心とした在宅ネットワーク)があります。
そこに所属する訪問看護師やケアマネージャー、介護ヘルパー、介護施設のスタッフなどと一緒に糖尿病の勉強会を開いたり新しい薬の研修会を行ったりしています。

その他の糖尿病地域連携 東信地区糖尿病スタッフ研究会

1999年に発足した東信地域で最も歴史のある糖尿病スタッフのための研究会。
毎年テーマを決めて8月の日曜日に特別講演とグループ・ワークから成る研究会を開催しています。

長野県糖尿病療養指導研究会

2002年に発足、長野県内の日本糖尿病療養指導士(CDEJ)の横のつながりを目的に毎年10月に松本で開催されます。
現在ではLCDEの方にも門戸が開かれています。
会長は東北中南信の代表が順番に務め、プログラムは研究発表、特別講演、ワーク・ショップから成ります。

東北信地域糖尿病療養指導士(LCDE)育成会

2008年に東北信の糖尿病療養に携わる専門スタッフを育成する目的で設立されました。
CDEJだけでは困難な地域に密着した活動を展開することを目指しています。
毎年資格取得のための講習会、資格取得後のスキルアップを目的とした講演会、研修会を企画、3月に認定試験を行っています。
2017年度には第10期生が誕生、400名近くの会員を擁します。
「信州LCDEサミット」を結成、同じ目的で設立された県内の3つのLCDE育成団体と協力しています。

劇団トーシンズ

東信地区糖尿病スタッフ研究会の世話人で作った劇団。
糖尿病患者さんや市民の方向けに糖尿病やその療養に関する正しい知識を楽しく伝える目的で結成されました。
2017年までに18公演、シナリオは10本に及びます。